マルセイユから見た日本の道路その4
私がいま住んでいるマルセイユのことをお伝えします。
来てわかったことですが、マルセイユは自転車乗りにとってフランス最悪の街のようです。(山岳地帯を除く)
トラムがずっと工事中のため、大通りはいつ終わるともしれない工事のフェンスで塞がれています。地下鉄も中心部にしかなく、しかも平日は7時とか8時とかいった時間に運行をやめてしまうので、郊外に住むひとびとの交通手段はバスとマイカー。そして駐車場はものすごく少ないので路上駐車の嵐です。歩道の両側にずらりと車が並んでいて、一車線だけがかろうじて走行できるといったひどい状態。急な坂道がたいへん多いことも自転車の走行を難しくしています。坂の激しさは長崎よりひどいんじゃないかな。自転車を日常の足としている人は多くないようです。
にも関わらず、実感としては東京より10倍いい。ドライバーの意識が天と地ほどに違うから。
交差点のない道を渡るために車が途切れるのを待っていると、だいたい車のほうが「どうぞ」と止まってくれます。自転車に乗っていてもまったく同じ。「先にいって」とハンドサインで譲ろうとすると「いやいや、どうぞどうぞ」と譲りかえしてくれる。嘘だと思ったらここで乗ってみてください。急な坂道をひいひいとのぼっていても自動車は追い越さずにゆっくり後ろを走ってくれる。よほどひどい乗り方をしない限りはクラクションなんか鳴らされない。
危ない目に遭わないんです。「歩行者と自転車が優先、俺たちはそのあと」ということをドライバーが自然な感覚として身につけているとこうも違うものか。
マルセイユの人に「自転車で走るのが楽しい」というと全員があっけにとられます。「こんな街なのに?」と。でも事実。本当に東京の道と自動車はひどい。
ヨーロッパに住む以前には、インフラの不整備が一番の問題だろうと思っていました。道路設計も都市計画も自転車を重要な交通機関と捉えていないことが問題だろうと。今は違う意見です。一番たいせつなことは「道路は弱者優先」という原則の周知徹底、意識改革。
私も自動車運転免許を持っているので更新時の講習を受けています。そこで強くいわれるのは飲酒運転の危険性。ほぼそれだけです。ここで「道路は弱者優先ですよ。自転車は車道を走る軽車両ですよ」というだけで日本の道路事情は大きく変わる。「自転車をはねないように気をつけましょう」というだけでなく、「自転車に道を譲りましょう」とこれからはいわなくてはいけない。
SHARE THE ROAD ! 自転車が安全に走る街を手に入れましょう。



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